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90年代東京|高校生が一番かっこよかった時代──ストリートカルチャー前夜の話

目次

☕「最前線にいたのは、大人じゃなかった」

1990年代の東京。
スマホもSNSもなく、家にインターネットがある子すら珍しかった時代。

でも、街の空気を動かしていたのは、間違いなく“高校生たち”だった。

青文字・赤文字系ファッション誌、ティーン雑誌、テレビのストリートスナップ、地下鉄のホーム、クラブのフロア。
どこを切り取っても、「イケてる高校生」が主役だった。
大人はまだ、追いつけていなかった。


🌟 みんな「ちゃんとしてた」

持ち物もファッションも、どこか“きっちりしてる”のが当たり前。

  • 財布は ヴィトン、グッチ(ときどきシャネル)
  • 靴は HARUTA or REGAL の革靴
  • カバンは 指定の革鞄
  • 制服の上に ラルフのベスト+バーバリーのマフラー
  • 足元は ソニプラのルーズソックス
  • 髪は メッシュ+日サロ通いが定番

「崩す」んじゃない、“きれいに着こなす”のがかっこよかった。

当時の東京私立高校生たちの空気感──
ちゃんと伝わってるかな?


🚉 出会いは“駅”だった。スマホなんてなかったから

集合場所といえば、駅のベンチ。

巣鴨・大塚・池袋──この3駅は、高校生たちの“乗り換えハブ”。
ただ通ってるだけで、いろんな学校の子とつながることができた。

誰かの紹介で「今度○○高校の子紹介するよ」って話が回ってきて、
プリ帳(プリクラ帳)見せてもらって、気になったら連絡。

合コンは高校名で組むのが定番。
「H男子校」「K高校」「R高」「J高」「S女子」みたいに。


📍 高校生カルチャーMAP|90年代 山手線編

「どこで降りるか」で、その子の空気感がわかる時代だった。

  • 巣鴨駅
     地味だけど、乗り換えの聖地。ルーズソックスと指定バッグの女子がごった返す青春スポット。
  • 大塚駅
     渋めでちょっと穴場。垢抜けた雰囲気の男子が多くて、“印象的だった”って子も。
  • 池袋駅(西口)
     集合場所の定番。西口公園に座り込んで、合コン前の作戦会議してる光景、見たことあるはず。
  • 原宿駅
     ラフォーレが“聖地”。ラルフのベスト、バーバリーマフラー、ポケベル持った女子たちが集結。
  • 渋谷駅
     109は高校生の交差点。センター街マック前が待ち合わせの定番。ストリートニュースの実物が歩いてた。
  • 恵比寿〜六本木
     ちょっと大人びたエリア。制服姿のままクラブに吸い込まれていく子もいた。VIPで宿題やってた女子高生、本当にいたんだよ。

🎒 制服が「ブランド」だった時代

私立高校の制服は、それ自体が“東京のステータス”。

  • 男子は学ランでもピシッと着こなす
  • 女子は ラルフのベスト+ルーズソックス+指定革鞄+ハイブランド財布

カジュアルダウンなんて誰もしない。
「ちゃんとしたものを、ちゃんと持つ」ことが美学だった。

学校ごとの雰囲気が色濃くて、
「ラフでこなれたH」「正統派できれいめなK」「ちょっと品のあるR」──
そういうイメージで合コンが成立する時代だった。

ああ、懐かしい……遠い目しちゃうよね。


📓 プリ帳、手帳、紹介文化

出会いも恋も、すべてが人づて。

プリ帳に貼ったプリクラを手帳にぎっしり並べて、
「この子紹介してよ〜」って女子同士で回す。
気になる子がいたら、“合コンセッティング”がスタート。

LINEもDMもないけど、人とのつながりは早くて濃かった。
たぶん、今よりずっと密度が濃かったと思う。


✍️ 氷河期って言われるけど

私たちは、誰かのせいにして生きてたわけじゃない。

情報も希望もあんまりなかったけど、
「とりあえず今をどうにか楽しくする」ために、
毎日を必死で走ってた。

氷河期世代の10代って、
東京で一番おしゃれでかっこよかった時代だったんじゃないかな、って思う。


🕶️ あの頃の”東京ストリート前夜”を、もう一度

スマホもSNSもない時代に、
自分たちの感性だけで街を彩っていた高校生たち。

ブランドをまとい、制服を着こなし、
駅のホームやカフェやベンチが「出会いの場」だった。

そんな90年代の“熱”を、ちゃんと記録に残しておきたい。
だって、
ここからすべてが始まったのだから。


🧃 次回予告:「クラブ」と「インスト」と「スター誕生」

90年代の東京では、
クラブで歌ってた高校生が、数年後には音楽番組に出てた。

  • m-floが代官山のハコでライブしてた
  • RIP SLYMEがインストアライブやってた
  • Dragon Ashの古谷くんがまだアフロだった
  • YellowのVIPルームで宿題やってた女子高生もいた

そんな**“カルチャーの原石”たち**が、街中に転がってた。

次回は、そんな音楽とクラブと、スターの卵たちの話を──。

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この記事を書いた人

40代で突入した「更年期という異世界」──。
ホルモンの波に飲まれながら、それでも笑って進む旅の記録。
書き手:ふぇみにーぬ(エッセイスト/Threadsで生き延びてる人)

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