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氷河期世代、ずっと迷子

目次

導入:迷子のはじまり

「あー、今日もこれじゃない感がすごい」

朝、鏡を見ながらそう思った。

化粧をしながら、制服を着ながら、電車に乗りながら。

なんだか知らないけど、ずっと「これじゃない感」が付きまとっている。

氷河期世代の私たち、社会に出た瞬間から迷子だった。

というか、社会のルールすら知らないまま放り出された感じ。

まるで地図を渡されずに「はい、ゴールはあっちです」って言われたような。

気がつくと40代になっても「あれ、私の人生選択、全部間違ってる?」と思い続けている。

でも最近、この迷子感こそが私たちの「らしさ」なのかもしれないって思うようになった。

20代:選択間違えた?の連続

専門学校で夢を追った結果

音楽の専門学校でピアノを専攻していた私。

「手に職つけたら安心」って親に言われて、そうかそうかと思って頑張って練習した。

卒業する頃には、バーでピアノを弾くアルバイトとか、昔はあったそういう仕事がどんどんなくなってた。

景気がいい時はあったって聞いてたのに、私が卒業する頃には「バーも不況でピアノどころじゃない」状態。

タイミング悪すぎ問題、発生。

新卒一括採用って何それ?美味しいの?

そもそも「新卒一括採用」なんて言葉、知らなかった。

専門学校では誰も教えてくれなかったし、みんなそれぞれ自分の道を見つけるものだと思ってた。

いざ仕事を探してみたら「新卒じゃないんですね」って言われる。

知ってるよ!でも、だから何?って感じだった。

その後、中途採用っていうだけで給料が新卒より少ないことを知って愕然。

でも新卒で入った子たちも結局、安い給料で残業地獄って聞いて、じゃあ一体何のための「新卒ブランド」だったのか今でも謎。

フリーター生活突入

仕方なくアルバイトやパートを掛け持ち。

「フリーター」って言葉が生まれたけど、選んでフリーターになったわけじゃない。

コンビニでバイトしながら「私、音楽の勉強何のためにしたんだろう」って思った。

でも食べていかなきゃいけないし、とりあえず働く。

同級生もみんな似たような状況で、たまに会うと愚痴大会になる。

でも愚痴ってても仕方ないし、みんなで笑い飛ばしてた。

30代:婚期プレッシャーという名の追い討ち

突然始まった結婚プレッシャー

30歳を過ぎた途端、親戚の集まりが地獄になった。

「結婚はまだ?」 「いい人いないの?」 「女性は30過ぎたら厳しいよ」

仕事もフラフラしてるのに、結婚のことまで心配される。

正直、自分のことで精一杯なのに、他人の人生まで背負えるかって感じ。

合コンという名の品評会

友達に誘われて合コンに参加。

「どんな仕事してるの?」って聞かれて「フリーターです」って答えた瞬間の空気の変わり方がすごい。

まるで「不良品」の烙印を押されたような気分。

でも、これが私の現実なんだから仕方ない。

婚活パーティーにも行ったけど、プロフィールカードに年収を書いて、3分で自己紹介して、条件で選り分けられる。

まるで商品のような気分だった。

価値観の押し付けに疲れた

「女性は結婚してこそ幸せ」 「子供がいてこそ一人前」

そんなことばかり言われて、まるで自分の存在価値が「結婚しているかどうか」で決まるような気がした。

でも正直、結婚どころか自分の人生すら迷子なのに、人と一緒に歩けるわけがない。

40代:選択間違えた人生を受け入れ始めた

気づけば40代、相変わらず迷子

あっという間に40代。

キャリアも家庭も、なんだか中途半端なまま。

「私の人生、全部選択間違えてる?」そう思うことが多い。

音楽の専門学校に行ったこと、フリーターになったこと、結婚しなかったこと。

でも最近思うのは、選択を間違えたんじゃなくて、そもそも選択肢が限られてた時代だったんじゃないかということ。

でも人生って本当に何が起こるかわからない

散々「結婚は?」って言われ続けて、もう諦めてたのに、37歳でひょっこり結婚。みんなも私もびっくり。

「そんな気配なかったよね」って友達に言われて、確かにそうだった。

自分でも全然想像してなかった。

でも結婚しても、結局迷子なのよ笑。

人生って本当に何が起こるかわからないけど、何が起こっても迷子は迷子なんだなって思った。

人生はずっと問題提起され続けるゲーム

最近気づいたのは、人生って何も解決しないし、ずーっと問題提起され続けるものなのかもしれないということ。

20代で「就職は?」 30代で「結婚は?」
結婚したら「子供は?」 働いてたら「家庭は?」

クリアしても次のステージが待ってる。

だったら迷子のまま楽しむしかないじゃん。

俯瞰できるようになった変化

20代の頃と違うのは、少し俯瞰できるようになったこと。

「あー、私ってずっと迷子だったんだな」って客観視できるようになった。

そして「それでも今まで生きてきたじゃん」って思えるようになった。

完璧じゃないけど、それなりに頑張ってきた。

失敗もたくさんしたけど、学んだこともある。

予想外のこともあった。

自分の価値観で生きてみる

最近、やっと自分に問いかけるようになった。

「私はどうしたいのか?」 「何が私を幸せにするのか?」

世間の価値観じゃなくて、自分の価値観で生きてみようと思うようになった。

遅いかもしれないけど、始めるのに遅すぎることはない。

氷河期世代特有の「タイミング悪すぎ問題」

社会構造の変化に翻弄された世代

私たちの「これじゃない感」は、単なる甘えじゃない。

社会構造の変化に翻弄された結果だ。

終身雇用制度が崩れる時代に社会に出て、年功序列が崩れる中でキャリアを模索して、結婚制度が変わる中で恋愛をしてきた。

お手本がない時代を生きてきたんだから、迷子になるのは当然だ。

みんな同じようなタイミングの悪さ

氷河期世代のみんなで集まると、不思議と同じような話になる。

「なんか全部タイミング悪い」 「私だけ運が悪いのかと思ってた」 「でも今さら文句言ってもねえ」

みんな同じようなタイミングの悪さを経験している。

それはある意味、私たちの共通体験なのかもしれない。

SNSで他人と比べて余計に落ち込む

そこにSNSが追い討ちをかける。

キラキラした投稿を見ては「みんな順調そうだな」と思い、幸せそうな家族写真を見ては「私だけ取り残されてる」と感じる。

でも投稿されてるのは人生のハイライト部分だけ。

みんな同じように悩んで、迷って、それでも生きているんだと思う。

「多様性」という言葉に泣きそうになった話

氷河期世代が一番ホッとした言葉

最近よく聞く「多様性」という言葉。

この言葉に一番ホッとしたのは、氷河期世代かもしれない。

結婚してもしなくてもいい、仕事も自分のやりたいことでいい、正社員じゃなくたっていい。

今はいろいろな多様性があって、それって氷河期世代が一番言ってほしかったことだったと思う。

「もっと早く言ってよ」って気持ち

私たちが20代30代の時に散々言われたこと:

  • 「フリーターなんてダメ」→ 今は「働き方の多様性」
  • 「結婚しないなんて」→ 今は「ライフスタイルの多様性」
  • 「転職ばかりして」→ 今は「キャリアの多様性」

あの時、みんなに責められながら生きてた私たちの生き方が、今は「多様性」って呼ばれてる。

正直「もっと早く言ってよ」って気持ちもある。

でも同時に、すごく救われた。

やっと自分で自分にOKを出せるようになった

ある日、友達とカフェでお茶をしていた時のこと。

「多様性って言葉のおかげで、やっと自分で自分を認められる気がする」

そう言ったら、友達が笑って言った。

「世間はまだ何も変わってないけどね。でも自分の中では楽になったよね」

その瞬間、肩の力が抜けた。

世間に認められたわけじゃないけど、自分にOKを出せるようになった。

それだけでも大きな変化だった。

今でも迷ってるけど、それでいい

正解がない時代だからこそ、自分で道を作ればいい。

迷いながらでも、一歩ずつ前に進んでいる。

そして今やっと、その歩き方が認められる時代になった。

完璧じゃないけど、それが私らしい。

他人と比べる必要もない。自分のペースで、自分らしく。

メッセージ

ずっと問題提起され続ける人生を笑い飛ばそう

もしあなたが「自分だけ人生の選択間違えてる」と思っているなら、それは違う。

世間はまだ何も変わってない。

今でも「正社員の方がいい」「結婚した方がいい」って言われ続けてる。

でも「多様性」という言葉が出てきたことで、やっと自分で自分を認められる気持ちになった。

「あ、こういう生き方もありなんだ」って、自分に言い聞かせることができるようになった。

人生は問題提起され続けるゲーム、迷子で上等

人生って何も解決しないし、ずーっと問題提起され続けるものなのかもしれない。

迷っていてもいい。

選択を間違えたって思ってもいい。

結婚してもしなくてもいい。

正社員じゃなくてもいい。

世間の目は相変わらずだけど、大切なのは自分で自分にOKを出すこと。

氷河期世代の私たち、一緒に「問題提起され続ける人生」を笑い飛ばそうじゃないか。

完璧じゃないけど、それが私たちの生き方なんだから。

道に迷ったって、歩き続けていれば必ずどこかにたどり着く。

そして問題提起され続けても、迷子のまま楽しんでいけばいい。


氷河期世代のみなさん、お疲れさまです。問題提起され続ける人生を、一緒に笑い飛ばしていきましょう。

この記事が心に響いたら、ぜひコメントであなたの気持ちを聞かせてね。

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この記事を書いた人

40代で突入した「更年期という異世界」──。
ホルモンの波に飲まれながら、それでも笑って進む旅の記録。
書き手:ふぇみにーぬ(エッセイスト/Threadsで生き延びてる人)

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