家事リストに載らない家事たち
「家事って何?」と聞かれたら、多くの人が「掃除・洗濯・料理」と答えるでしょう。
でも、それだけじゃない。
ゴミ袋の在庫チェック、シャンプーの詰め替えストック、調味料の残量管理…。
これらは**“名もなき家事”**と呼ばれます。
やらなきゃ家は回らないのに、やった事実はカウントされない、表彰もされない。
私はこの“名もなき家事”の主任・課長・部長・社長兼務です。
任命された覚え? もちろんありません。
男性の「やってる」宣言の正体
夫は「俺も家事やってる」と言う。
内容を聞くと、食洗機のスイッチを押す、ゴミを玄関まで運ぶ。
それ、家事じゃなくて家事のエンターキー押し係ですから。
その前の工程——食器をセットする、ゴミ袋を交換する——は私の仕事ですけど?
女性は常に“先読みフル回転”
名もなき家事の本質は、発生してから動くんじゃなく、事前に予測して防ぐこと。
明日の朝食、子どもの行事、天気予報まで組み合わせて段取りする。
この先読み力と危機回避能力、管理能力は、正直、男性より女性のほうが優れている。
そりゃそうだ、お腹で子どもを育て、産む生き物ですよ。命を守るために進化した能力なんだから。
いつから男はホワイトカラーしかしなくなった?
昔の男は、外で稼ぐだけじゃなく、家の中でも力仕事を担っていた。
庭の草むしり、家具の移動、重い荷物の運搬。
でも、いつの間にか「俺はデスクワーク専門だから」が免罪符になり、家ではパソコンとリモコン以外ほとんど触らなくなった。
まるで腕力や体力は、通勤とゴルフのためだけに存在しているかのようだ。
じゃあ男の得意分野は?
体力と筋力は男性のほうが上。
なら、その有り余るパワーを、仕事と家事にもっと使え。
棚の上の重い物を下ろす、庭仕事を一気に片付ける、掃除機かけを本気モードでやる。
間違っても、休日にソファで寝転びながら「筋肉は温存するもの」なんて理論を展開しないでほしい。
せっかく女性より上回る能力なんだから、ホワイトカラーだけじゃなくブルーカラーの仕事も家庭内で担当してくれ。
その有り余る体力と筋力を、無駄遣いするな。
自虐:名もなき家事放棄実験の結末
ある日、全部放棄してみた。
ゴミ袋は交換しない、調味料も補充しない、洗濯物も畳まない。
3日後、私は思った。
夫は何も気づいていない。
家は崩壊しているのに、その崩壊すら気づかない。
キッチンの油汚れも、洗面所の髪の毛も、山積みの洗濯物も視界に入らないらしい。
もうこれは「最低限の観察機能すら省エネ設計の生き物」と言わざるを得ない。
そろそろ名前と評価を
名もなき家事は、ただの気遣いじゃなく、家庭という組織のインフラ管理です。
会社なら評価され、給与に含まれる内容です。
それを家庭では無給・無評価で回している。
せめて分担するか、感謝料を出してほしい。
だって、日本中の夫たちはこの部分にほぼ参加していない。
なら、国が免税と年金上乗せしてくれてもいいはず。
少子化対策とか言うなら、まずここからでしょ。
でないと、このブラック企業=家庭から、退職届を出す日も近いかもしれません。
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